大型装置導入状況
フェムト秒レーザーシステム
チタンサファイア再生増幅器 Spitfire Pro 35F (米国Spectra Physics社製)
仕様 パルス幅 35fs以下
パルスエネルギー 4mJ以上
波長 780-820nm
繰り返し 1kHz
本装置を用いて新規テラヘルツ時間領域分光系を立ち上げた。すなわち、レーザー光
を空気中で集光することによりプラズマを誘起すると同時に、一部のレーザー光はBBO
結晶で第2高調波に変換し、これを基本波と重畳させることによりテラヘルツ波を発生さ
せた。さらに、GaP結晶による電気光学サンプリング系を使ってこのテラヘルツ波を観測
することに成功した。スペクトル帯域はGaP結晶のフォノン吸収が生じる8THzに至り、結
晶を変更することでさらなる広帯域化が可能である。また、ダイナミックレンジは3 桁以上
あり、通常の分光に使用できるレベルである。一方、中空ファイバーを用いたレーザー
スペクトルの広帯域化にも成功し、時間幅7.1fs、パルスエネルギー200μJ の極短光パ
ルスを発生できた。この極短パルスとプラズマ発生を組み合わせ、遠赤外から近赤外の
3桁におよぶ超広帯域赤外時間領域分光測定の実現を目指している。
連携融合事業オープンラボ(G218-220号室)に設置されている装置群
(株)日本分光製装置4台
1.蛍光分光光度計 FP-750光ファイバユニットOBF-123型付属
波長範囲220-750nmで励起、波長範囲220-750nmで蛍光測定可能で、各蛍光波長で励起スペクトル測定可能(オプション使用で試料室に収まらないサイズ・形状の測定も可能)
2.紫外可視近赤外分光光度計 V-5701回反射測定装置 SLM-468型付属
波長範囲190-2500nm(4000cm-1)で透過率測定可能(オプション使用で反射率測定も可能)
3.フーリエ変換赤外分光光度計 FT/IR-4100
波数範囲7800-350cm-1で透過率測定可能
4.サブミリ波フーリエ分光光度計 SMMPFTS-1反射アタッチメントRF-81S付属
波数範囲650-2cm-1で透過率測定可能(オプション使用で反射率測定も可能)
上記は連携融合事業参加研究室で共通に使用できるものとする。マニュアルが用意してあり、容易に使用できる装置群であるが、初めて使用する者に関する仕様説明を伊藤研のスタッフが行うこととする。また、仕様記録への記載は義務づける。
なお、4.の装置で低波数域を測定する場合、液体ヘリウム冷却のボロメータを使用する必要がある。芦田研かKARCのメンバーの立ち会い、協力が必須である。
極低温強磁場走査型トンネル顕微鏡
ドイツ SPECS社製
仕様
到達真空度 10-8 Pa
到達可能温度 1K (4He利用時)
印可能磁場強度 3T(予定)
設置場所 D150室
ジュールトムソン効果を利用し1Kで安定測定可能な走査型 トンネル顕微鏡。液体ヘリウムの消費量が 0.1L/hときわめて少なく、10Lの液体ヘリウム供給で4日間程度低温を持続できる。低速電子線回折装置や有機蒸着装置、金属蒸着装置などを備えている。
本体写真
測定データー例 (金(111)面を1Kで測定)